津波解析ハッカソン  in 小豆島 & オンライン

2020年9月1日〜3日

課題2 一様勾配斜面上を崩落する物体により生成される津波

概要

 地すべり,山体崩壊や,氷山の崩落等により生成される津波は,崩落体と水が相互に干渉して生成される.課題2では,一様勾配斜面上を崩落する物体により生成される津波の1次元伝播を対象とし,水面変動の数値解析結果を水理実験結果と比較する.

内容

 図-1に示すような,一様勾配斜面のある水槽を用いる.水槽幅の内寸は,0.2 mである.
 まず,この水槽に,密度ρw = 1,000 kg/m3の水(淡水)を貯める.斜面沖側の静水深は,h = 0.09 mとする.
 次に,ゲートの岸側に崩落体を積載する.ゲートの最下端は,静水状態の汀線位置とする.
 そして,図-2に示すレバーを押し下げてゲートを上方に素早く開ける.
 各ケースの実験条件を表-1に示す.Case A1,A2,B1及びB2の崩落体は,水である.ここで,ζは,図-1に示すように,崩落体の積載時の高さである.他方,Case Cの崩落体は,剛体群であり,直径0.02 m及び長さ0.197 mの円柱9本とする.円柱の材質は,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である.円柱群の積載状況を図-3に示す.

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 Case A1及びB2に対する,2地点P及びQにおける水位の時系列を事前に公開する.ここで,地点P及びQは,静水時の汀線から,それぞれ,0.7 m及び1.15 m沖側の地点である.

比較方法

 表-1に示す五つのケースに対して,地点P及びQにおける水位の時系列や,津波高さに関して比較する.また,可能であれば,ビデオ映像を参照しながら,崩落体の突入状況を比較する.ただし,Case Cは,必須とせず、比較対象とするかどうかは,参加者の自由とする.

参考文献

Kakinuma, T.: Tsunami generation due to a landslide or a submarine eruption, Tsunami (ed. Mokhtari, M.), InTech, pp. 35-58, 2016. https://doi.org/10.5772/64530

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図表

図-1 一様勾配斜面のある地すべり津波実験水槽


図-2 ゲートとレバー(Kakinuma,2016


表-1 実験条件

崩落体の種類 崩落体の密度 ρb 斜面勾配 tanβ 崩落体の積載状況
Case A1 1,000 kg/m3 1.0 ζ = 0.15 mの直角二等辺三角形
Case A2 ζ = 0.1 mの直角二等辺三角形
Case B1 0.5 ζ = 0.15 mの直角三角形
Case B2 ζ = 0.1 mの直角三角形
Case C 剛体の円柱群 2,300 kg/m3 1.0 図-3


図-3 円柱群の積載状況